”眼科手術”を徹底解説~ものもらい、眼瞼下垂、白内障など~


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今回は眼科手術です。部位毎に手術料算定(Kコード)の手術一覧、支払可否を紹介いたします。
公的医療保険(健康保険)連動型は、原則支払対象です。手術番号のあとにカッコ書きで手術番号○○×○倍とあれば、手術88タイプも支払対象となります。

◇公的医療保険(健康保険)連動型タイプ
公的医療保険(健康保険)で手術料が算定されていれば支払対象です。なお、いずれのタイプも視力矯正目的(各社平成20年頃以降)、および美容目的は対象外です。

ご参考 ⇒ レーシック(角膜屈折矯正)など、視力矯正の保険サポートガイド

◇手術88種タイプ : 感覚器・視器の手術の一覧

手術番号 60 眼瞼下垂症手術(10倍)

手術番号 61 涙小管形成術(10倍)

手術番号 62 涙嚢鼻腔吻合術 (10倍)

手術番号 63 結膜嚢形成術(10倍)

手術番号 64 角膜移植術(10倍)

手術番号 65 観血的前房・光彩・硝子体・眼窩内異物除去術(10倍)

手術番号 66 光彩前後癒着剥離術(10倍)

手術番号 67 緑内障観血手術(20倍)

手術番号 68 白内障・水晶体再建術(20倍)

手術番号 69 硝子体観血手術(10倍)

手術番号 70 網膜剥離症手術(10倍)

手術番号 71 レーザー・冷凍凝固による眼球手術(60日に1回を限度)(10倍)

手術番号 72 眼球摘除術・組織充填術(20倍)

手術番号 73 眼窩腫瘍摘出術 (20倍)

手術番号 74 眼筋移植術(10倍)

眼科手術はK199~K284です。手術名称は代表例で表記しています。

Ⅰ ”涙道”の手術、主な適応疾患

K199 涙点形成術、K200-2涙点プラグ挿入術、K202涙管チューブ挿入術あたりの請求が多いですね。まことに残念ながら、手術88種タイプはいずれも対象外です。

・K199 涙点、涙小管形成術(涙小管形成術は手術番号61×10倍)
涙小管狭窄・結石症・閉塞症、涙点外反、涙小管炎など

・K200 涙嚢切開術
涙嚢炎

・K200-2 涙点プラグ挿入術、涙点閉鎖術
乾性角結膜炎、シェーングレン症候群

・K201 先天性鼻涙管閉塞開放術

・K202 涙管チューブ挿入術
鼻涙管狭窄症・閉鎖症・閉塞症、涙嚢炎、涙小管炎など

・K203 涙嚢摘出術
涙嚢炎、鼻涙管閉鎖症、涙道閉塞症、涙嚢腫瘍など

・K204 涙嚢鼻腔吻合術(手術番号62×10倍)
鼻離管狭窄症・閉鎖症・閉塞症など

・K205 涙嚢瘻管閉鎖術
涙嚢瘻など

・K206 涙小管形成手術(手術番号61×10倍)
涙小管断裂・閉塞など


Ⅱ ”眼瞼”の手術、主な適応疾患

手術88種タイプでお支払対象となるのは、K216 眼瞼結膜悪性腫瘍手術とK219眼瞼下垂症手術です。そのほかは、公的医療保険連動型タイプのみお支払対象です。ただし、医師によってはK001皮膚切開術やK000創傷処理で手術料を算定するケースもあります。

手術88種タイプはいずれにせよ対象外ですが、公的理療保険連動型タイプは麦粒腫・霰粒腫(ものもらい)などに対して手術しても、K208麦粒腫切開術など上記手術ではなく、除外手術(K001皮膚切開術・K000創傷処理)で手術料が算定されてしまうと、たとえ治療目的が同じだったとしても、手術給付金はお支払対象外となります。

K216 眼瞼結膜悪性腫瘍手術は1回の手術で悪性腫瘍を取りきるなど、根治手術と評価できる場合は80×40倍、再発・転移などの場合は82×20倍です。

K219 眼瞼下垂症手術はよく請求があります。特に50代以降が顕著ですね。左眼と右眼を同日に手術施行する人もいますが、同日の場合1回分しか手術給付金が支払われません。治療方針や時間などが許すのであれば、左眼と右眼は別の日に手術すれば2回分手術給付金が支払われます。

また、最近では美容整形外科での手術施行も少なくありません。美容整形外科=美容目的ではなく、美容整形外科の手術施行でも、公的医療保険が適用されていれば、”眼瞼下垂症の治療目的”として、医療保険・手術給付金のお支払対象になります。

・K207 瞼緑縫合術(瞼板縫合術を含む)
眼瞼裂傷・裂創・創傷など

・K208 麦粒腫切開術
マイボーム腺炎、眼瞼蜂巣炎、麦粒腫・霰粒腫(ものもらい)など

・K209 眼瞼膿瘍切開術
眼瞼蜂巣炎、麦粒腫、眼瞼炎など

・K209-2 外眥切開術(がいしせっかいじゅつ)
眼窩腫瘍・蜂巣炎・うっ血・浮腫・腫瘤・突出症など

・K211 睫毛電気分解術(毛根破壊)
眼瞼内反症、睫毛乱生症など

・K212 兎眼矯正術(とがんきょうせいじゅつ)
眼瞼外反症、兎眼症、眼球突出症など

・K213 マイボーム腺梗塞摘出術、マイボーム腺切開術
マイボーム腺炎・機能不全・梗塞など

・K214 霰粒腫摘出術(さんりゅうしゅてきしゅつじゅつ)
霰粒腫(ものもらい)など

・K215 瞼板切除術(巨大霰粒腫摘出)
巨大霰粒腫、眼瞼内反症・外反症・癒着・瘢痕など

・K216 眼瞼結膜悪性腫瘍手術(手術番号80×40倍or82×20倍)
眼瞼の脂腺癌・基底細胞癌・皮膚癌・悪性黒色腫・ボーエン病・上皮内癌など

・K217 眼瞼内反症手術
眼瞼内反症、眼瞼皮膚弛緩症、逆さ睫毛など

・K218 眼瞼外反症手術
眼瞼外反症、兎眼など

・K219 眼瞼下垂症手術(手術番号60×10倍)
眼瞼下垂症、眼瞼皮膚弛緩症など


Ⅲ ”結膜”の手術、主な適応疾患

結膜の手術では、K224翼状片手術が圧倒的に多いですね。腫瘍摘出では、腫瘍が悪性であれば手術番号80×40倍、もしくは82×20倍となります。

・K220 結膜縫合術
結膜裂傷、結膜縫合不全

・K221 結膜結石除去術
結膜結石

・K222 結膜下異物除去術
結膜異物など

・K223 結膜嚢形成手術(手術番号63×10倍)
眼窩委縮・変形、眼球間前後癒着症、結膜炎、緑内障濾過手術後、ドライアイなど

・K223-2 内眥形成術(ないしけいせいじゅつ・手術番号63×10倍)
眼裂異常・狭小・狭窄・縮小、ダウン症候群など

・K224 翼状片手術(手術番号63×10倍)
翼状片

・K225 結膜腫瘍冷凍凝固術(手術番号71×10倍)
結膜腫瘍、結膜乳頭腫など

・K225-2 結膜腫瘍摘出術(手術番号63×10倍)
結膜のう腫・母斑、デルモイドなど


・K225-3 結膜肉芽腫摘除術
瞼裂斑、結膜腫瘤、結膜のフィラリア症、結膜肉芽腫など


Ⅳ ”眼窩・涙腺”の手術、主な適応疾患

眼窩・涙腺に対する手術の特徴は、感覚器・視器の手術(手術番号60~74)ではなく、筋骨の手術(手術番号5:頭蓋骨観血手術)に該当するものが多いことです。眼窩腫瘍などでは一部頭蓋骨を削ったりするためですね。

・K226 眼窩膿瘍切開術
眼窩膿瘍、眼窩蜂巣炎、急性眼窩炎、炎症性眼窩うっ血など

・K227 眼窩骨折観血的手術(手術番号5×20倍)
眼球陥没、ふきぬけ骨折、眼窩底骨折など

・K228 眼窩骨折整復術(手術番号5×20倍)
眼球陥没症、眼窩変形など

・K229 眼窩内異物摘出術(表在性)(手術番号65×10倍)
眼筋内異物、眼窩刺創、眼窩創傷、眼窩炎など

・K230 眼窩内異物除去術(深在性)(手術番号65×10倍)
眼筋内異物、眼窩内異物、眼窩炎など

・K233 眼窩内容除去術(手術番号65×10倍)
眼窩内腫瘍など

・K234 窩内腫瘍摘出術(表在性)(手術番号73×20倍)
眼窩内粘液腫、眼窩内腫瘍、眼窩脂肪ヘルニア、甲状腺眼症など

・K235 眼窩内腫瘍摘出術(深在性)(手術番号73×20倍)
眼窩神経線維腫、眼窩内神経鞘腫、眼窩炎性偽腫瘍など

・K236 眼窩悪性腫瘍手術(手術番号80×40倍or82×20倍)
眼窩悪性腫瘍など

・K237 眼窩縁形成手術(手術番号5×20倍)
眼窩腫瘍、眼窩外骨腫症、眼窩先天異常など


Ⅴ 眼球、眼筋の手術、主な適応疾患

斜視とは、両眼の視線が一致せず、両眼視できない状態のことです。手術する前のテリー伊藤さんが思い出されますね。眼球摘出といえば、独眼竜・伊達政宗公が思い出されます(諸説あり)。医学が発達した現代でも、病気や怪我でやむをえず眼球摘出に至るケースは少なくありません。

・K239 眼球内容除去術(手術番号72×20倍)
化膿性網膜炎、全眼球炎、眼球損傷、眼球癆(がんきゅうろう)、角膜ぶどう腫な


・K241 眼球摘出術(手術番号72×20倍)
網膜芽細胞腫、網膜膠腫、脈絡膜悪性黒色腫、絶対緑内障、眼球委縮症など

・K242 斜視手術(手術番号74×10倍)
斜視、斜位、デュアン眼球後退症候群、眼球運動障害、眼振など

・K243 義眼台包埋術(手術番号72×20倍)
眼球摘出など

・K244 眼筋異動術(手術番号74×10倍)
外直筋麻痺、外転神経麻痺、眼筋麻痺など

・K245 眼球摘出及び組織又は義眼台充填術(手術番号72×20倍)
網膜芽細胞腫、網膜膠腫、脈絡膜悪性黒色腫、絶対緑内障、眼球委縮症など


Ⅵ 角膜・強膜の手術、主な適応疾患

角膜・強膜の手術はやった感があるわりに、お支払対象の手術が少ないですね。お支払可否のポイントは、角膜・強膜の”移植”があったかどうか、それとレーザー手術かどうかです。

・K246 角膜・強膜縫合術
外傷性角膜穿孔、眼球穿通創、眼部裂創など

・K248 角膜新生血管手術(冷凍凝固術を含む) (手術番号71×10倍)
角膜血管新生、角膜パンヌスなど

・K248-2 顕微鏡下角膜抜糸術
角膜縫合または強角膜縫合後

・K249 角膜潰瘍掻爬術、角膜潰瘍焼灼術
角膜潰瘍、角膜炎、角膜内異物など

・K250 角膜切開術
角膜潰瘍、緑内障、高眼圧症、網膜中心動脈閉塞症など

・K252 角膜・強膜異物除去術
角膜内異物、強膜異物など

・K254 治療的角膜切除術(レーザー使用)(手術番号71×10)
角膜瘢痕、混濁、変性、角膜ジストロフィー、角膜日蘭、ヘルペス角膜炎、真菌性
角膜潰瘍など

・K255 強角膜瘻孔閉鎖術
壊死性強膜炎、強膜ぶどう腫、穿孔性角膜潰瘍など

・K256 角膜潰瘍結膜被覆術
角膜穿孔、角膜潰瘍など

・K257 角膜表層除去併用結膜被覆術
角膜アルカリ化学熱傷、角膜酸化熱傷など

・K259 角膜移植術(手術番号64×10倍)
角膜混濁、角膜白斑、水疱性角膜症、円錐角膜、翼状片、結膜・強膜腫瘍など

・K260 強膜移植術(手術番号64×10倍)
強膜ぶどう腫、眼瞼内反、強膜腫瘍など

・K261 角膜形成手術
円錐角膜、卵子、類天疱瘡、スティーブンス・ジョンソン症候群など


Ⅶ ぶどう膜の手術、主な適応疾患

緑内障関連の手術が大半を占めます。支払可否のポイントは、手技がレーザーか否かです。レーザー手術の場合、60日に1回が支払限度になります。

・K265 虹彩腫瘍切除術(手術番号65×10倍)
虹彩のう胞、ぶどう膜腫瘍など

・K266 毛様体腫瘍切除術、脈絡膜腫瘍切除術(手術番号65×10倍)
ぶどう膜腫瘍、毛様体腫瘍、脈絡膜母斑・腫瘍、粘弾性物質など

・K268 緑内障手術(手術番号67×20倍、レーサー使用は手術番号71×10倍)
閉塞隅角症、緑内障、膨隆虹彩など

・K269 虹彩整復・瞳孔形成術(手術番号66×10倍)
瞳孔遮断、瞳孔閉鎖、瞳孔膜、虹彩前癒着・腫瘍、眼内レンズ偏位など

・K270 虹彩光凝固術(手術番号71×10倍)
原発閉塞隅角緑内障など

・K271 毛様体光凝固術(手術番号71×10倍)
緑内障など

・K272 毛様体冷凍凝固術(手術番号71×10倍)
緑内障、毛様体腫瘍など

・K273 隅角光凝固術
緑内障など


Ⅷ 眼房、網膜の手術、主な適応疾患

・K276 網膜光凝固術の請求がとても多いですね。レーザー手術ですので、60日に1回が支払限度となります。なお、大半の保険会社では、左眼と右眼は別部位として、各々60日に1回を支払限度とするのが一般的です。ただし、左右同日施行の場合は1回しか出ないのが一般的です。

・K274 前房、虹彩内異物除去術(手術番号65×10倍)
前房異物残留、虹彩異物、眼球内異物など

・K275 網膜復位術(手術番号70×10倍)
網膜剥離、網膜裂孔、網膜症など

・K276 網膜光凝固術(手術番号71×10倍)
網膜裂肛、糖尿病性網膜症、黄斑浮腫、黄斑変性症など

・K277 網膜冷凍凝固術(手術番号71×10倍)
網膜裂孔、網膜剥離、網膜・脈絡膜腫瘍など

・K277-2 黄斑下手術(手術番号69×10倍)
黄斑変性、星状網膜症


Ⅸ 水晶体・硝子体の手術、主な適応疾患

K278 硝子体注入・吸引術はGコード(注射)(=ルセンティス)として算定されることがほとんどです。つまり手術給付金の対象外なのですが、施行に際して手術同意書を記入したり、手術室で行われたりするなど、”手術”と誤解されかねない事態がよくあります。何をやったかではなく、どのコード(KorG)で算定されたかが支払可否のポイントです。

K282水晶体再建術は眼科手術でもっとも請求の多い手術です。先進医療として実施された場合、手術88種タイプでは手術給付金の支払対象、公的医療保険連動型では先進医療手術として支払対象となります。60代後半になると入院をともなって施行されるケースも少なくありません。左右同日に施行するよりも、左右別日に実施したほうが手術給付金を2回もらうことができます。

ご参考  ⇒  白内障の方必見! 手術給付金を”2倍”受け取るには??

また、K280硝子体茎顕微鏡下離断術と同日施行されることもあり、手術88種タイプですと高倍率である68×20倍が適用されます。時期を同じくしての手術施行ですので、69×10倍と68×20倍が各々支払になることはありません。

・K278 硝子体注入・吸引術(手術番号69×10倍:Gコードは対象外)
黄斑浮腫、黄斑のう胞、網膜不剥離・網膜裂孔、眼内炎、ぶどう膜炎など

・K279 硝子体切除術(手術番号69×10倍)
硝子体脱出など

・K280 硝子体茎顕微鏡下離断術(手術番号69×10倍)
網膜剥離、網膜前膜、黄斑円孔、硝子体出血・混濁など

・K280-2 網膜付着組織を含む硝子体切除術(眼内内視鏡)(手術番号69×10倍)
角膜混濁・白斑・瘢痕・浮腫・変性・ジストロフィー・損傷・裂傷、円錐角膜など

・K281 増殖性硝子体網膜症手術(手術番号69×10倍)
網膜剥離、糖尿病網膜症など

・K282 水晶体再建術(手術番号68×20倍)
白内障、無水晶体眼など

・K282-2 後発白内障手術(手術番号71×10倍)
後発白内障

・K284 硝子体置換術(手術番号69×10倍:シリコンオイル抜去は対象外)
網膜剥離、硝子体出血、網膜裂孔など

加齢性白内障などは病気としての認識が薄く、告知するのを失念しているケースが散見されます。眼科など病院へ通院中、眼薬の投薬中は告知の必要があります。保険加入、切り替えの際は告知を失念することのないようご注意ください。

ご参考  ⇒ ”告知義務違反” 保険会社による確認・調査の実態とは!?


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