生命保険・医療保険・がん保険の”手術”を徹底解説 

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生命保険・医療保険・がん保険の保険金請求で、もっとも苦情(クレーム)が多いのは”手術給付金”についてです。代表的なのは、”手術を受けたのに保険金が支払われない”とか、”他社は支払われたのに、なぜ対象外(非該当)なのか”といった苦情ですね。世間一般では”手術を受ければ保険金は支払われる”とお考えの人が大多数かと思います。しかし、保険で支払対象となる手術は、”約款”で定められており、すべての手術が保険の対象となるわけではありません。世間一般の認識と約款の保障範囲にずれがあり、日々トラブルが発生しています。

保険で支払対象となる手術は、最近主流の公的医療保険(健康保険)連動型タイプであれば約1,000種類、従来型の手術88種タイプであれば約600種類と言われています。日本国内の病院で手術を受けた場合、レーシックや美容整形など”自費の手術”を除いて健康保険が適用され、手術料(医科診療報酬点数)が算定されます。手術料は”Kコード”と呼ばれ、K000創傷処理からK950特定医療材料まであります。KコードはK000-2小児創傷処理(6歳未満)など、枝番まで含めると約1,000種類に分類されています。

公的医療保険連動型タイプの支払対象となる手術が約1,000種類とされるのは、手術料(医科診療報酬点数)が算定される手術(Kコードがある手術)が約1,000種類のためです。そもそも生命保険・医療保険・がん保険の支払対象となる手術は、約款でどのように規定されているのでしょうか。

◇手術の定義

治療を直接の目的として、器具を用い、生体に切断、摘除などの操作を加えることです。吸引、穿刺などの処置、および神経ブロックは除きます。美容整形上の手術、疾病を直接の原因としない不妊手術、診断・検査(生検・腹腔鏡検査など)は、治療を目的とした手術には該当しません。なお、がん保険の場合は、”がんの治療を直接の目的として”という条件が加わります。

◇公的医療保険(健康保険)連動型タイプ

公的医療保険制度の分類は次のとおりです。制度によって、手術給付金の支払可否が変わることはありません。

・健康保険(全国健康保険協会〔協会けんぽ〕、各種健康保険組合)⇒企業の従業者や日雇労働者など
・共済組合(各種共済組合)⇒国家・地方公務員や私学教職員など
・船員保険(社会保険庁/平成22年からは全国健康保険協会が運営)⇒船舶の船員など
・国民健康保険(市町村、各種国民健康保険組合)⇒自営業者や退職者など
・後期高齢者(長寿)医療制度(後期高齢者医療広域連合)⇒75歳以上の人および65歳~74歳で一定の障害の状態にある人

公的医療保険制度における医科診療報酬点数表に手術料の算定として列挙されている診療行為が対象です。一般的に次の4項目は”除外手術”としています。

①創傷処理、デブリードマン
②皮膚切開術
③骨・関節の非観血的整復術、非観血的固定術、非観血受動術
④抜歯術

さらに、保険会社(第一生命、アフラック、オリックス生命、あんしん生命、メディケア生命 など)によっては、下記手術も除外手術とされています。

①鼓膜切開術
②異物除去術(外耳・鼻腔内)
③鼻焼灼術(鼻粘膜・下鼻甲介粘膜)
④魚の目・タコ手術(鶏眼・胼胝切除術)

なお、外来での手術か入院を伴う手術かによって、給付倍率が異なるのが一般的です。大腸ポリープ切除術、水晶体再建術、流産手術などであれば、外来ではなく”入院”して手術したほうが、保険金を多く受け取ることができます。

◇手術88種タイプ(給付倍率10倍~40倍)

手術によって、入院給付金日額の10倍~40倍に分類されています。該当手術は約600種類、下記88種のいずれかに該当するかしないかが、手術給付金の支払可否のポイントです。

§皮膚・乳房の手術
1.植皮術(25㎠未満は除く。)・20倍
2.乳房切断術・20倍
3.骨移植術・20倍

§筋骨の手術(抜釘術は除く。)
4.骨髄炎・骨結核手術(膿瘍の単なる切開は除く。)・20倍
5.頭蓋骨観血手術(鼻骨・鼻中隔を除く。)・20倍
6.鼻骨観血手術(鼻中隔弯曲症手術を除く。)・10倍
7.上顎骨・下顎骨・顎関節観血手術(歯・歯肉の処置に伴うものを除く。)・20倍
8.脊椎・骨盤観血手術・20倍
9.鎖骨・肩胛骨・肋骨・胸骨観血手術・10倍
10.四肢切断術(手指・足指を除く。)・20倍
11.切断四肢再接合術(骨・関節の離断に伴うもの。)・20倍
12.四肢骨・四肢関節観血手術(手指・足指を除く。)・10倍
13.筋・腱・靱帯観血手術(手指・足指を除く。筋炎・結節腫・粘液腫手術は除く。)・10倍
14.慢性副鼻腔炎根本手術・10倍

§呼吸器・胸部の手術
15.喉頭全摘除術・20倍
16.気管・気管支・肺・胸膜手術(開胸術を伴うもの。)・20倍
17.胸郭形成術・20倍
18.縦隔腫瘍摘出術・40倍
19.観血的血管形成術(血液透析用外シャント形成術を除く。)・20倍

§循環器・脾の手術
20.静脈瘤根本手術・10倍
21.大動脈・大静脈・肺動脈・冠動脈手術(開胸・開腹術を伴うもの。)・40倍
22.心膜切開・縫合術・20倍
23.直視下心臓内手術・40倍
24.体内用ペースメーカー埋込術・20倍
25.脾摘除術・20倍

§消化器の手術
27.顎下腺腫瘍摘出術・20倍
28.食道離断術・40倍
29.胃切除術・40倍
30.その他の胃・食道手術(開胸・開腹術を伴うもの。)・20倍
31.腹膜炎手術・20倍
32.肝臓・胆嚢・胆道・膵臓観血手術・20倍
33.ヘルニア根本手術・10倍
34.虫垂切除術・盲腸縫縮術・10倍
35.直腸脱根本手術・10倍
36.その他の腸・腸間膜手術(開腹術を伴うもの。)・20倍
37.痔瘻・脱肛・痔核根本手術(根治を目的としたもので、処置・単なる痔核のみの手術は除く。)・10倍
38.腎移植手術(受容者に限る。)・40倍

§尿・性器の手術
39.腎臓・腎盂・尿管・膀胱観血手術(経尿道的操作は除く。)・20倍
40.尿道狭窄観血手術(経尿道的操作は除く。)・20倍
41.尿瘻閉鎖観血手術(経尿道的操作は除く。)・20倍
42.陰茎切断術・40倍
43.睾丸・副睾丸・精管・精索・精嚢・前立腺手術・20倍
44.陰嚢水腫根本手術・10倍
45.子宮広汎全摘除術(単純子宮全摘などの子宮全摘除術は除く。)・40倍
46.子宮頸管形成術・子宮頸管縫縮術・10倍
47.帝王切開娩出術・10倍
48.子宮外妊娠手術・20倍
49.子宮脱・膣脱手術・20倍
50.その他の子宮手術(子宮頸管ポリープ切除術・人工妊娠中絶術を除く。)・20倍
51.卵管・卵巣観血手術(経膣的操作は除く。)・20倍
52.その他の卵管・卵巣手術・20倍

§内分泌器の手術
54.甲状腺手術・20倍
55.副腎全摘除術・20倍
56.頭蓋内観血手術・40倍

§神経の手術
57.神経観血手術(形成術・移植術・切除術・減圧術・開放術・捻除術。)・20倍
58.観血的脊髄腫瘍摘出手術・40倍
59.脊髄硬膜内外観血手術・20倍
60.眼瞼下垂症手術・10倍

§感覚器・視器の手術
61.涙小管形成術・10倍
62.涙嚢鼻腔吻合術・10倍
63.結膜嚢形成術・10倍
64.角膜移植術・10倍
65.観血的前房・虹彩・硝子体・眼窩内異物除去術・10倍
66.虹彩前後癒着剥離術・10倍
67.緑内障観血手術・20倍
68.白内障・水晶体観血手術・20倍
69.硝子体観血手術・10倍
70.網膜剥離症手術・10倍
71.レーザー・冷凍凝固による眼球手術(屈折矯正手術を除く。施術の開始日から60日の間に1回の給付を限度とする。)・10倍
72.眼球摘除術・組織充 塡術・20倍
73.眼窩腫瘍摘出術・20倍
74.眼筋移植術・10倍

§感覚器・聴器の手術
75.観血的鼓膜・鼓室形成術・20倍
76.乳様洞削開術・10倍
77.中耳根本手術・20倍
78.内耳観血手術・20倍
79.聴神経腫瘍摘出術・40倍


§悪性新生物の手術
80.悪性新生物根治手術・40倍
81.悪性新生物温熱療法(施術の開始日から60日の間に1回の給付を限度とする。)・10倍
82.その他の悪性新生物手術・20倍

§上記以外の手術
83.上記以外の開頭術・20倍
84.上記以外の開胸術・20倍
85.上記以外の開腹術・10倍
86.衝撃波による体内結石破砕術(施術の開始日から60日の間に1回の給付を限度とする。)・20倍
87.ファイバースコープまたは血管・バスケットカテーテルによる脳・喉頭・ 胸・腹部臓器手術(検査・処置は含まない。施術の開始日から60日の間に1回の給付を限度とする。)・10倍

§新生物根治放射線照射
88.新生物根治放射線照射(50グレイ以上の照射で、施術の開始日から60日の間に1回の給付を限度とする。)・10倍

§骨髄幹細胞採取手術
89.組織の機能に障害がある者に対して骨髄幹細胞を移植することを目的とした骨髄幹細胞採取手術(骨髄幹細胞の提供者と
受容者が同一人となる自家移植の場合を除く。)・20倍

◇手術給付金の該当可否を確認するには?

手術名、手術コード(Kコード)が分かれば、下記手術の分類表にて該当可否を確認できます。保険会社の問い合わせ窓口でも回答してもらえると思います。ご注意点としては、「ポリープやイボを取った」とか、「骨折して手術した」などのように、症状や治療方法で手術給付金がでるかどうか回答を求めるのではなく、病院(医師or医事課などの事務受付)で、手術名と手術コードを確認してから問い合わせするのがお勧めですね。

ただし、いずれも保険金が支払われるかどうかは、保険会社に診断書など請求書類一式を提出したあと、保険金支払部署にて支払判断が行われます。営業担当者や問い合わせ窓口でで、”この手術なら保険金が支払われます”と言われても、けっして鵜呑みにしないことですね。保険金支払いに精通している人は、それほど多くありませんし、何よりも保険金支払いの決裁権限ががありません。あくまでも、参考程度にされるのがよいと思います。

◇医科診療報酬点数表における手術のすべて

約1,000種類の手術すべての該当可否を、順次紹介します(青字リンクが参照OK)。初回は眼科手術の予定です。乞う、ご期待!!

・皮膚・皮下組織

・筋骨格系・四肢・体幹

・神経系・頭蓋

・眼

・耳鼻咽喉

・顔面・口腔・頸部

・胸部

・心・脈管

・腹部

・尿路系・副腎

・性器

・臓器提供管理料/輸血

・手術医療機器等加算

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