医療保険は複数社での加入がお得!~合法的な焼け太りとは!?~


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”焼け太り”とは、火事に遭った後、見舞金や保険金を受け取り、かえって以前よりも豊かになることです。本来、保険は経済的な逸失利益を補償(モノ)・保障(ヒト)するためのものであり、火災や事故、病気などによって保険金を受取り、その結果、以前よりも経済的に豊かになるためのものではありません。

保険金詐欺など犯罪目的の”焼け太り”未然に防ぐため、自動車保険、火災保険・地震保険などを”モノ”補償する損害保険では、時価によってモノの価格を定め、原則その価格以上の保険金は支払われません。例えば、3,000万円の家屋が全焼した場合、3,000万円以上保険金をを支払わないように、損害保険業界で契約情報の共有を行い、各社の契約内容に応じて保険会社同士で保険金の支払割合を分担しています。これは実損填補型と呼ばれています。

一方、”ヒト”を保障する生命保険では、職業や年収に応じた金額を目安としており、損害保険業界と同様、生命保険業界でも情報共有を行っています。しかし、損害保険業界ほど厳格な運用はしておらず、人一人に対して複数の生命保険会社と契約していることは一般的です。これは、定額給付型と呼ばれています。

保険金詐欺など特殊な事例を除いて、一般的には損害保険業界はお支払い時に、生命保険業界では加入時に、保険金額が適正であるかどうか、業界内で情報共有を図っています。これは、損害保険には代理店に契約締結権があり、生命保険には代理店に契約締結権がないことにも繋がっています。

近年の医療保険には、猫も杓子も”先進医療特約”が付いています。”安心の先進医療保障2,000万円!”とかキャッチコピーをみると思うのですが、一生のうちに2,000万円分も先進医療を受ける人ってどれほどいるのでしょうか。正確な数値は公表されておりませんので、あくまでも私の主観的な感覚ですが、「①がんに対する重粒子線治療・陽子線治療」、②「白内障に対する多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」の二種類で、先進医療のお支払いの実に”8割以上”を占めていると思います。

先進医療の技術料は①が約300万、②が約40万~80万ほどです。つまり先進医療2,000万を使い切るには、重粒子線治療を5回以上しなければなりません。また、いかに医療費高騰が叫ばれている日本であっても、今後1,000万円を超える先進医療が国に認定される可能性は低いのではないかと思います。

先にご紹介したとおり、生命保険は入院したら日額いくら、手術を受けたらいくらなど、あらかじめ給付金額が定められている定額保障型です。そのなかで”先進医療特約”は、”先進医療の技術料”がお支払い対象となる実損填補型です。(※一部の保険会社の商品では病院までの交通費などを負担する特約もあり)。ここからが大切なのですが、先進医療特約は実損填補型でありながら、損害保険とは異なり、保険会社毎に複数契約があれば、保険会社毎にお支払いの対象となります。

例えば、A社・B社の2社で、それぞれ先進医療特約を契約していた人が、前立腺がんになり重粒子線治療(約300万)を受けたとすると、300万×2=600万の先進医療保険金を受け取ることができます。入院日額10,000円の医療保険に加入を検討している人は、A社で5,000円+先進医療、B社で5,000円+先進医療と、2つの保険会社と契約すれば、万一先進医療を受けた場合、2倍の保障を受け取ることができます。仮に、どうしてもA社がよいといって、A社で日額5,000円の医療保険を2つ契約したとしても、どちらか一つの契約にしか先進医療は付けられないため、 先進医療保険金を2倍受け取ることはできません。

2つの保険会社を分けることで、お支払い基準が異なったり、万一倒産してしまうなどのリスクヘッジにもなります。もしかしたら、保険金請求の時に、診断書を2枚用意しなければならないのがもったいないとお考えの人もいるかもしれません。しかし、保険会社によっては、内容に不足がなければ他社診断書のコピーでもお支払いに応じてくれるところもあります。仮に診断書を2枚必要になったとしても、診断書費用は1枚5,400円程度と負担金額はたかがしれています。

最後に、先進医療特約の保険料月100円程度が主流です。しかし、将来的に先進医療保険金の請求が増えるリスクを懸念した保険会社のなかには、医療保険は終身変わらない保険料であっても、先進医療特約だけは”10年更新型”としているケースもあります。医療保険を検討しているのでしたら、先進医療保障が”10年更新型”か”終身型”かを確認のうえ、日額10,000円に加入するなら、5,000円×2社での契約をお勧めいたします。